10年後の技術は、今どこで開発されているのか?
エレクトロニクス業界のR&D への投資ランキングを見てみた。
上位を見ると、31.0% Cadence、30.5% Broadcom、28.3% Agere Systemsが上位三社だ。上位には、無線、アナログ、FPGA、ソフト系の会社が目につく。売上高 $10億以上の企業に絞ると、Nortel Networks 17.0%、Intel 16.8%、Infineon Technologies 15.8%、Ericson 15.7%、Sun Microsystems 15.7%、Texas Instruments 15.4%が15%を超える。
USの企業ばかりが並ぶ中、日本企業はどこに行ったのか?
見落としていなければ、日本企業では 8.8% オムロンがトップで、8.7% ローム、8.3% パイオニア が続く。日本も売上高 $10億以上に絞ると、8.0% デンソー、 7.4% キャノン、7.1% ソニー、6.9% NEC、6.8% 富士フィルム、6.3% 松下 となっている。世界のR&Dへの投資率ランキングでは、オムロンで66位、デンソーで74位、松下にいたっては104位である。オムロン、デンソーと聞くと、医療機器、車載製品の分野の成長のおかげかなと思ってしまう。
売上高に対する R&D 投資率で見ると、日本企業は世界ランクはかなり低い。なぜか?
理由の一つとして、日本の企業が巨大なことももちろんある。M&Aを繰り返すことで特定の分野に絞りこんできたUSの企業と違って、さまざまな分野を抱え込んでいる日本企業は売上高が大きく、投資率が低くてもそれなりの額にはなる。
だが、一番の理由は、投資を回収できるストーリーが今のところないので投資率を上げられないのだろう。
他にも、USでは国で具体的にサポートしているように、意識的に取り組んでいる。 American Innovation Proclamation にあるように、R&D が税額控除の対象となるよう、国家予算を二倍にしている。ただし、その予算は、R&D の税額控除だけでなく、理系の学生を増やすことに使っている。実際、2005年では、USの大学では、理系のマスターの43%、理系のドクターの61%が外国籍の学生だったらしい。ほとんどがインド人、中国人だろう。地理的には日本の方が近いが、日本では考えられない数字だ。
ここで何よりも気になるのは、US企業はすでに自分達の方向を決めたから投資に踏み込んでいるのに対し、日本企業はまだどうすべきか悩んでいるのではないかということだ。当たり前のことだが、今投資せずに10年後に革新的な技術をもつことはありえない。また、悩んでいる間に人々のモチベーションが下がるし、いったん下がったモチベーションを再び回復させるのは簡単ではない。一旦、細く長くゆっくり進んでもいいんだと思ってしまうと、再び以前のように走ることは難しくなるのだ。
今、日本企業で働いている人たちは、どう感じているのだろうか?

1 件のコメント:
面白いデータだね。
上位にランキングしている20%超えの会社に対して、確かに日本の企業は8%以下だね。
日本は伝統的に、「茶道」「華道」等、「道」を重んじる国だけど、先代の作り上げた「道」を「習う」ということを技術だと考えて投資するんだけど、自ら新規に「道」を「拓く」ということに投資をしない文化なのかもね。
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