8/29/2007

ハイスピードカメラ

最近、テレビ番組でハイスピードカメラで撮影された映像を見る機会が増えた。まだまだ値段は高いと思うが、昔よりも利用しやすくなったのだろうか。

見ていて思うのは、驚きが多いということ。今まで自分の目で見てきたものは、真実の動きのほんの一部を切り取ったものだということに気づかされる。そしていろいろなインスピレーションが沸いてくる。

よく言われるように、装置の衝撃耐性を確認するために利用されているらしい。実際に何かにぶつかったときにどのように破壊されているかを詳細に確認できれば、それにあった衝撃の吸収方法とかを考えられる。

これ以外にどのように利用できるだろうか?何か動きを忠実に再現しないといけないものに適用できないだろうか?例えば、アニメーションでは、これくらいの高精細の映像レベルで動きを分析し、それに近づけるように再現を行うと、今まで以上にリアル感をもたらすことができるかもしれない。さらにはスポーツ科学についても、この精度でフォームを分析し、修正を加えていけば、人間の感覚だけでは見つけ切れなかった問題点を見つけ改善することで、よりよい結果を出すことができるかもしれない。

ハイスピードカメラの価格が下がり、一般にも普及できるようになると、さらにいろいろな映像がとらえられて映像表現にハイビジョンの次を行く価値観をもたらすと思う。

参考にYouTubeで検索した映像をつけておく。

8/28/2007

安全を売ろう

以前「セキュリティレベルによる認証ロゴ」のコメントで書いたように、「安全を売る」というセキュリティマーケティングの需要が高まっていると思う。セキュリティと一口に言ってもいろいろある。

最も見かけることが多いのが、情報セキュリティだろう。インターネットの普及により、企業情報、個人情報の漏洩による問題が多発しているからだ。一方、私が学生の頃はセキュリティと聞くと、セコムや綜合警備保障といったオフィスビルや家のセキュリティを連想した。これらは共に、情報や人の身体・命・資産を盗人やそれを悪用する人達から守ろうというものである。ここでいう情報とは、人によって作りだされたり加工されたものであり、人間以外にとっては価値のないものであることに気づく。

また、人間の健康を守るものには、食品が挙げられる。
例えば、シリコンバレーに引っ越してきてから、オーガニックの食品の種類が何と多いことかと思う。Whole foodsに夕方行くとそれなりに混んでいるし、皆さん大量に買いこんでいる。他にも、遺伝子組み換え原料不使用の食品などもそれに値するだろう。私達は、少し高めのそれらの食品を、安全のために購入する。
健康を守るものは、これからますます増えるだろう。

また、守られるべき子供や老人、あるいはペットを遠隔監視するためのシステムもホームセキュリティに入る。
ただ、人の心の安全・安心を守るのは難しい。例えば、ブログへ書き込まれる誹謗中傷をやめさせるのは簡単ではない。心の安全・安心を守る方法を考えられたら売れるかもしれない。

人間には防衛本能がある以上、人間の安全を売る商品は尽きることがないだろう。

Skypeの障害について思うこと

Skypeの障害について、Skypeのblogに詳細な情報が記載されている。

この中ではマイクロソフトのアップデートは、障害発生の根本的な要因ではないこと、またマイクロソフトが今回の障害解析にあたり多大なサポートをしたこと等が書かれており、先にマイクロソフトのアップデートが原因とする情報をかき消すのに躍起になっている様子が伺える。でも、この議論はあまり興味がわかない。それよりもこうした障害の情報の中から、うかがえるSkypeの裏側のところに興味が出てくる。

今回の原因については、「多数の再起動に加え、当日のトラフィック量、さらに今まで知られていなかったSkypeで使われているP2Pネットワークリソース分配アルゴリズムのバグが原因で、自己回復機能が間に合いませんでした。」とされている。また、対応策については、「バグは修復されました。今回のような状況に対して対応できるよう、P2Pネットワークのパラメータを調整しました。 負荷の高い状況での再起動時にも正常に作動するようにアルゴリズムを修正し、次いでP2Pコアの安定化に全力を注ぎました。」とされている。

全体の書きっぷりを読んでみると、「アルゴリズムのバグ」と言っているが想定していた仕様を実装時に間違えてしまっていたソフトウェアのバグというよりも、想定以上の負荷がネットワークにかかったため、輻輳制御のパラメータの見直すことで、負荷耐性を高めた、ということのように読める。

P2Pネットワークにはさまざまなモデルがあるようだが、基本的には自律分散的な動作で、集中的な管理がされていないイメージが強い。しかし、今回のSkypeの件では、Skype側でスーパーノードの数を意図的に増やしたり、ユーザのソフトをアップデートさせることなくアルゴリズムの修正が加えられるようになっていたりと、想像していたよりもSkype側のオペレータの意図で管理・制御が可能な、Managedなネットワークであるような印象を受けた。今回の障害の対応は、原因特定までに時間がかかっているなど必ずしも良いものではないが、こうした障害で得られたノウハウを受けてさらに成長していくことで、本格的な通信インフラに化けるかもしれない。

8/16/2007

家庭用PCの消える日(2) - papter battery

ePaper が紙と置き換わるためには、紙に近い品質が求められる。
見える角度や柔軟性だけではない。例えば、配線がないこと、長時間持つこと、多少踏んでも壊れないこと、折りたたんで持ち運べること、多少防水機能があること、動作および保存温度範囲が十分であること、値段が紙と同レベルであること、である。最初の配線なしで長時間というのは、将来 paper battery が解決してくれるかもしれない。

Rensselaer Polytechnic Institute が発表した paper battery は、電極としてカーボンナノチューブを、電解液として液体塩を使い、セパレーターとしてセルロースの紙を使っている。そのデバイスは、片面は挿入されたカーボンナノチューブのために黒く、もう片面はセルロースがでているので白い。黒い側を外にして折り曲げると高性能のコンデンサーに、白い面をリチウムでコーティングすればバッテリーになるという。まだまだこれからバッテリーとしての機能のテストをする必要はあるだろうが、薄くて軽いというのは、ePaper にとって大きく役立つだろう。

以前「ナノテクノロジーを探せ」で書いたように、まだカーボンナノチューブの製造が高価なため量産はまだ先だろうが、応用範囲が広いのは確かだ。

ところで、家の中の紙の量が大分減るのは大変喜ばしいことだが、自分がどんな本や雑誌を持っているのかがわからなくなってしまうだろう。まるで本棚を見ているようなバーチャルなインデックスがほしくなる。ハードディスクの中をサーチして、バーチャルな本棚を壁の大きなディスプレイ内に写し出しすことを想像すると、壁のディスプレイにタッチパネル機能が必要な気がする。

家庭用PCの消える日(1) - ePaper

10年後、家に帰ってご飯を食べた後、私は何をしているだろうか?
ソファーの上でくごろごろしながら、壁の大きなディスプレイに南の島の映像を流し、ePaper を読んでいるんじゃないかと思う。

家でのPCの使い道のほとんどが、インターネットを見るかメールを読むか書くか、だ。PCに向かっている間の時間配分はこんなものだと思う。
 1)見ている or 読んでいる 93%
 2)文章や画像を入力する 2%
 4)考え事をしている 5%
1)では、サーチのためにキーワードを入力したり、マウスを使ったりはするが、2)のように書いた文章を読み返したり修正したりはしないので、音声入力でも十分だろう。
つまり、1)のためにPCほどの機能とパワーは不要なのである。A4サイズの ePaper と、音声認識機能とスピーカーかヘッドフォンを持った小さなヘッドセット、それとインターネットにつなぐためのホームゲートウェイがあればいい。壁のディスプレイもそれらの装置から操作可能だ。
2)で使うためのキーボードとマウス、カメラは、必要なときのみ使えればいいので、机の上に置いておいてほしい。ePaper を立てるだめのスタンドもあるといい。

ePaper は、新聞、雑誌、本といったペーパーメディアの置き換え市場から立ち上がり、デジカメで撮った映像を見るのにも使われるだろうが、インターネットブラウザとしてのPCの置き換え市場が本命だと思う。

家庭用PCなんていらないのだ。